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僕はチャットモンチーをまだ知らない

ディスクレビュー 音楽

再会、そして違和感

先日、関ジャム完全燃showという番組で、「売れっ子プロデューサーが選んだ2016名曲ベスト10」という企画をやっていた。

 

その中で蔦谷好位置さんという音楽プロデューサーがチャットモンチーの「majority blues」を紹介していた。

 

「majority blues」 解説も相まっていい歌だった。

マママママジョリティーと耳障りよく覚えやすいサビの裏で、

16歳、学生 というマジョリティーに囲まれた環境の中で

当時今ほど女性バンドマンが市民権を得ていなかったライブハウスへマイノリティーとして飛び込む様子がストレートな歌詞で描かれている。

 

しかし僕の持っているチャットモンチーのイメージとは大きくかけ離れていた。

僕の持つチャットモンチーへのイメージはやはり「シャングリラ」で成り立っているようだ。

 

あのシャッフル系のビートを使っていたのは「シャングリラ」だけだったのか、

それとも年月が彼女らを変えたのか、

 

とりあえず僕は今までなんとなく手に取らなかったチャットモンチーのアルバムを手に取ることにした。(TSUTAYAで)

 

 

チャットモンチー BEST~2005-2011~

チャットモンチー BEST~2005-2011~

 

手に取ったのは安定のBEST

シャングリラ入ってるし 

 

ハナノユメ

薄い紙で指を切って

赤い赤い血が滲む

これっぽっちの刃で痛い痛い指の先

掴みが完璧すぎませんか、これ

端的に言えば「出血」した話

しかも友人との会話では「あー、それ地味に痛いやつ」どまりなやつ

それをストレートに描写しながらも、vo橋本の歌声がそれを淡く初々しさを残した状態で届けている。

 ここを起点として歌詞は思春期特有の不安定さを感じさせる展開へとなっていく。

等身大のガールズバンド感が非常に愛くるしい。

 

シャングリラ、ヒラヒラヒラク秘密ノ扉、風吹けば恋

この辺りが僕の持つチャットモンチー像どストレートであった。

若い女の子が止められない衝動、思いに向かって全力で突っ走っちゃう感じ。

マママママジョリティーに違和感を覚えてもしょうがない気がしてきた。

このころの彼女らは一種のパンクバンドみたいなもんだ。

 

改めて「シャングリラ」の歌詞を読み返すと、だいぶ理不尽な内容だったりする。

シャングリラ 幸せだって叫んでくれよ

意地っ張りな君の泣き顔 見せてくれよ

シャングリラ まっすぐな道で転んだとしても

君の手を引っ張って離さない 大丈夫さ

(私といれて)幸せだって言えや

(私の前では)甘えてええんやで

(君のこと)見捨てたりせえへんから自分のペースで行こうや

大きなお世話や!

しかもそんな関係をシャングリラ=理想郷、桃源郷だとしている

メンヘラの地雷臭が急にしてきた。

何が大丈夫さだよちょっとは休ませろ。

 

 

8cmのピンヒール

個人的に今回聴いた中でいちばん好きな曲だったかも。

別れ際の男女間の思考のズレを描いてる。

少し背伸びして年上の男と付き合って、

昔はそれにときめいてたけどだんだん彼の言動がその場しのぎだってわかって、

今も気持ちが残ってもいないでもないけど去っていくその哀愁さ

いい意味で若く、それでいて成長した女性像を感じた。

 

 

全体を通して、

何曲か個別のレビューを書いて見たが、どの曲からも伝わってくるのは

青春というか若さというか学生というか

いい意味での甘酸っぱさが詰まったいいバンドであった。

 

このベストアルバムのリリースと同時に多くの作詞を担当したDrの高橋が脱退したらしい。

2011年以降の5年間で彼女たちの音楽はどの方向を向いて再び歩き出し、そして最新作「majority blues」につながることになるのか。

いずれまた聴き込んで見たいと思う。

 

おわり

 

 

majority blues / 消えない星(初回生産限定盤)

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